ブログ|浜松市北区初生町で動物病院をお探しの方は佐野獣医科病院まで

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  • チョコレート中毒 ~バレンタインを楽しく過ごす~

    18.02.09(金)

    本文は↓をクリック。

    みなさんこんにちは。副院長の佐野です。

    2月ですね。2月といえばみなさん、バレンタインですね。

    お菓子メーカーの策略により生み出されたという、女性が男性にチョコを送る謎の風習…。

     

    しかし今年はチョコメーカーのゴデ〇バが打ち出した広告が話題になってますね。

    義理チョコをやめよう。あげる側が負担に思うようならそんなものやめよう。

    (関連リンク https://www.j-cast.com/2018/02/04320230.html?p=all

     

    ざっくり言うとそんな趣旨だったと思いますが、これはなかなか良いですね。ゴ〇ィバみたいなチョコはパッと見ても値段がわかりにくくて、ホワイトデーのお返し考えるのも結構面倒くさいですから。

    あげたい相手にだけあげりゃいいのですよ、本命でも友チョコでも家族チョコでも。

    気持ちが伴う間柄なら、多少、お返しの値段に齟齬があっても気にならないでしょうしね。

     

     

    さて。そうは言っても、この時期はチョコを買う方が増えると思いますが、動物病院的には「チョコ誤食」の季節でもあります。

    ご存知の方も多いかもしれませんが、犬や猫は「チョコレート中毒」を起こすので、食べてはいけないのです。

    今回はこの、チョコレート中毒についてお話します。

     

     

    ではまず、チョコレート中毒とはどういうものなのかというと…

    チョコレートにはテオブロミンやカフェインなどの「メチルキサンチン誘導体」が含まれており、これが中毒の原因物質とされています。これは、興奮作用、強心作用、利尿作用、平滑筋弛緩作用、骨格筋収縮増強作用などを持ち、急性の消化器症状、循環器障害、神経症状などを引き起こします。

     

    と、あえてちょっと難しい言葉で書きましたが、「薬品っぽさ」を感じてもらえましたかね?

     

    実は、メチルキサンチン誘導体の仲間で、ちゃんと薬として使えるものもあるのです。代表的なのは喘息などで使う気管支拡張薬でしょうか。動物でも気管虚脱や気管支炎などで使うことがあります。

    テオブロミンと同じ仲間の薬剤。気管支炎や喘息で使います。

     

    さてそんなわけで、みんな大好きなあま~いチョコレートが、ワンちゃんやネコちゃんにとってはただのお菓子ではないわけです。では、実際食べるとどうなるのでしょう。

     

    食べる量にもよりますが、

    落ち着きがなくなり、おしっこを漏らし、吐いて、下痢して、息が荒くなり、熱が出て、筋肉が硬直し、痙攣し、昏睡状態になって、死亡…

     

     

    することもあります。こわぁい…。

     

     

    致死量(※)は10kgの犬で、ミルクチョコレート500g~1kgくらいと言われています。

    「いやいや、そんなに家にチョコないよ笑」

    と思われるかもしれませんが、

    ビターチョコや製菓用チョコ、ココアパウダーなどではテオブロミンの含有量が5~10倍以上違うこともあります。

    小型犬ではより少ないチョコレートで症状が出てしまうので、本当に命取りになりかねません。

    (※ここでは、たくさんの犬に食べさせた時に、半数以上が死亡する量のこと。正確には50%致死量とかLD50とか呼ぶ。)

     

    板チョコ5枚で250g。1kgのチョコが家にあるなんてことはそうそうないでしょうが…笑

     

     

    実は、致死量については猫の方が少ないとされていますが、中毒の患者さんは圧倒的に犬が多いです。

    これは習性というか性格というか、犬は見つけた食べ物や珍しい物を取られまいと、あるだけ大量に食べてしまう性質があります。また人間ほどではありませんが、比較的、甘みを感じる能力が高いため、チョコレートは普通においしくいただけてしまうのです。

    一方猫は、犬ほど食に対して執着がありませんし、そもそも甘みをほとんど感じないと言われています。なので、チョコレートが落ちていたからといって、好んで食べる子は多くありません。

     

     

    ではもし食べてしまったら治療はどうするのかというと。

    食べて3~4時間以内であれば、基本的には吐かせます。短時間のうちに吐かせることができればほとんど重症化はしません。

    ですが、テオブロミンなどの原因物質に直接働くような解毒剤などはないため、すでに時間が経って症状が出ているような子は、点滴や抗けいれん薬、抗不整脈薬などの対症療法を行い改善を待つしかありません。体力勝負と言えるでしょう。

     

    いずれにせよ、食べてしまったらすぐに病院に行きましょう。応急処置として家でできる吐かせ方を紹介しているサイトもありますが、誤嚥のリスクもありますし、「吐かせるべきかどうか」が状況により異なるので、私はおすすめしません。

    中毒の診断は、ほぼ問診にかかっています。中毒物質を検出するような特殊検査もありませんので、かかりつけが休診の時は、あまりこだわらずに開いている病院に行きましょう。

     

     

    まぁ、「食べさせない」のが一番ですね。

    動物の口の届くところに、絶対に置きっぱなしにしないことです。未開封でもダメですよ。

    万が一いたずらしちゃっても、怒らないであげてくださいね。目の前に美味しそうなものがあったから食べた、彼らにとっては単純に、それだけのことなのです。

     

     

    そんなわけで、バレンタイン、チョコの扱いには細心の注意を払いましょう。

    手作りする方は作業中も要注意ですね。

    「もらう側」の男性諸君も、くれぐれも食べかけを置きっぱなしとかにしちゃダメですよ!

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