ブログ|浜松市北区初生町で動物病院をお探しの方は佐野獣医科病院まで

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  • 動物の遺棄は犯罪です。~それ本当に優しさですか?~

    19.08.27(火)

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    みなさんこんにちは!副院長の佐野です。

     

    今月は長いこと病院を空けまして、ご迷惑をおかけしました…。

    実は新婚旅行に行っていたので、そのうちそのこともここに書こうと思いますが、今日はそんなことより書かねばならぬことができました!

     

    捨て猫です!

     

    先週、段ボールに入った子猫が病院の前に捨てられていたのです!

    こんなティピカルな捨て猫久しぶりに見ました。笑

    敷物もなく、ドライフードを直接ぶちまけて、まともに封もされずに箱に収められていました。

     

    コイツ、こんなちっこいくせに自力で箱から出られるんですよ。

    朝、出勤したトリマーさんが見つけてくれたから良かったものの、下手したら外に出て車に轢かれるところです。捨てるにしたってあまりに雑だろ~!夏場に水もなしだし、ほんとに助ける気あったのか…?

     

    …まぁ、そもそも捨てるなって話なので、捨て方に文句言うのもおかしいんですけど。ちょっとツッコまずにいられなかったですね。笑

     

     

    さて。

    ご存知の方も多いと思いますが、動物を捨てることは法律で禁止された立派な犯罪です。

    もし今回捨てた方がここを見てたとしたら、ぜひ知っておいてください。犯罪ですよ!

    「動物の愛護および管理に関する法律」の第44条にて、「愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。」と規定されています。

    100万ですよ。おそらく捨てる人はそんなリスク背負ってるとは思いもよらないんでしょうね。

    (ちなみに、この法律の言う愛護動物とは、牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、うさぎ、鶏、いえばと、あひる、とされており、飼われているかどうかは規定がありません。野良猫だろうと野ウサギだろうと、意図的に移動させて置き去りにしたら罰せられる可能性があります。)

     

     

    まぁ、捨てた人も、動物病院なら助けてくれるだろうと思ってココを選んだんでしょうし、ごはんが入っていたことからも、多少の優しさは感じます…が。

     

    誤解を恐れず直球で言わせてもらうと、それは優しさじゃなく、ただの自己満です。

     

    ちゃんと診察時間中に、玄関から子猫連れて入ってきて、「保護したけどうちじゃ飼えないんです!」って相談してくれればいくらでも相談にのりますよ。誰も追い返したり、「責任もって飼え!」なんて詰め寄ったりしません。

    もし、「病院にちゃんとかかるとお金かかるから…」とかそんなことを考えて、それで箱に詰めて置き去りにしたとしたら、それは本当に優しさでしょうか?

     

     

    どこかで親とはぐれた子猫を見つけたら、確かに助けてあげたくなるのが人情です。でも、自分では飼ってあげられない…その葛藤に直面した時にどうするのか?ざっとこんなパターン↓があると思いますが…

     

    ①飼える人を探す。

    ②病院や行政に相談する。

    ③なんとかしてくれそうな所に捨てる。

    ④見捨てる。

     

    ①と②が正解と言えるでしょうが、手間がかかるのも事実なんですよね。うちに保護猫の相談に来てくれる方なんかは、見ず知らずの猫のためにその手間を惜しまない、本当に心優しい人たちなんだと思います。

    皆さんありがとうございます!!

     

    では③を選ぶ人は?なんだか気になってしまうけれど、それほど手間や面倒をかける気はない、かと言って見捨てるのも気分が悪い、そんな人なのでしょう。そこで楽な解決策を考えた結果、「どっかに捨てる」ということになる。

    とにかく自分の目の前からいなくなれば、自分が心を痛めて葛藤する必要はなくなりますからね。面倒ごとを他人に押し付けて自分の気持ちだけ解決させる、極めて自己中心的な結論だと思います。

    それを優しさだとは、私には到底思えませんね…。

     

    「そうは言っても、④よりマシだろう!」という声が聞こえてきそうですが、正しい対応ができないなら④を選んだとしても責められる謂れはないと思います。

    野良猫たちは、自分の力で生きて、子を産み、育てています。中には、発育不良で親に見捨てられてしまう子猫もいるでしょう。野生動物の世界で、それは一般的に起こっていることです。そこに手を出すことは、善意でこそあれ、必ずしも必要なことではないのではないでしょうか?

     

    まぁ、この話は「野良猫は野生動物か?」という議論も付きまといますし、色々な考えの方がいると思いますけどね。

    少なくとも私が言いたいのは、優しさという意味では③も④も大差なく、多少のゴハンを添えたからって猫を捨てる輩は許せんということです!

     

     

     

    さて、ちょっと熱くなっちゃいましたが、捨てられた子猫。もちろん見捨てるようなことはしませんよ。ちゃんとご飯をやり、清潔にし、あと今回なら風邪をひいてるようなので治療も始めました。

    捨てられてたその日。とりあえず汚かったお顔をきれいにしてやりました。目が開きましたよ!なかなかかわいくなりそうじゃないの!

     

    保護して1週間。おめめぱっちり!うーん、やはりかわいくなった!

    ケージの中で元気に遊びまわっています。

    写真が妙に白く明るいのは、さっきのと別のスマホで撮っただけで、別にかわいくしようと思って加工したわけじゃないですよ。笑

     

     

    というわけで、どうですか、どなたか子猫いりませんか??笑

    (もうすぐ2か月くらいの男の子!)

    もし興味ある方はお気軽に会いに来てみてくださいね!

     

     

     

    ちなみに…病院に捨てればどうにかしてくれる、と思われるのは本意ではないので最後に一応書いておきますが、しばらく里親を探してももらい手が見つからない時は行政の手を借りる場合があります。

    つまり、殺処分もあり得るということです。

    なので、どうか本当に、「病院に捨てる」ことで子猫を助けた気にならないでください!

    電話でも構わないので、とにかく一度相談してください!それぞれの事情に合った良い落としどころを探しましょう!

     

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